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桜色の少女


テーマ : 二次創作小説 ジャンル: アニメ・コミック





このお話は「ストロベリー企画」様に投稿しました♪
高校三年生になった二人のお話です。
そしてバナーが気に入ったので、二つとも貼ってみる。
上の甘い二人は勿論、下の苺爽子も最高…!




桜色の少女



――また、この季節が来る。



ふと、空を見上げて。
舞い散る花弁に面影を見付けて、足を止める。


あれは、もう二年前。


未だに鮮やかに、まるで写真のように心の中にある光景。
今振り向いたら君の幻を見るかもしれない、なんて思う程に。


『…北幌高校だとしたら、こっちです』


そう教えてくれた君に礼を言って、歩き出した。
あの時、振り向いた事に特に理由は無い。
ただ何故か、まるで舞い散る花弁に誘われるように振り向いて。
そこに在ったのは、その光景の中に淡く溶けてしまいそうな君の笑顔。
その後、君を知る度に振り向いて良かったと心から思った。


「…か、風早くん?」


え、と丁度思い出していたその声を聞いて驚いて振り向く。
そこには、柔らかな風にその長い髪を靡かせてその少女が立っていた。
まるで、あの日と同じように。


「お、おはよう」


笑う笑顔も、記憶のままで。
違うのは、あの日見送るように立ったままで居た君がこちらに近付いてくる事。


「あの…風早くん…?」


返事をしない俺にどうしたのかと黒沼は首を傾げる。
そこで、はっとなった。


「あ、ごめん!おはよう!」


慌てて挨拶をすれば、応えるように君はふわりと微笑む。
本当に今目の前に居るんだ、なんて思いながらじっと見ると今度は不思議そうな顔をする。


「どうかしたの?」
「ああ…うん。ちょっとびっくりした」


頭を掻きながら、視線を上へと向ける。
満開の桜と、風に揺れて舞う花弁。
二年前も、去年も変わらない桜の並木道。
去年この道を通った時に思い出したのも、やっぱり君の事。
あの時は、君と同じクラスになれれば良いと期待と不安だったっけ。


「丁度さ、初めて会った時の事思い出してた」


あ、と黒沼も桜を見上げる。
そう、丁度この別れ道。
二年前の入学式の日、ここで初めて君に出会った。


「そしたら黒沼が居るから、びっくりした」


はは、と笑うと君はほんの少し頬を染めた。
そんな君の表情に、俺は目を細める。


(あ、おんなじ色)


辺りを優しく染める、桜の色。
ほんのりと染まるその色は、舞い散る花弁と同じ色だ。


「わ、私もね」


なに、と続く言葉を待つ。
何時だって頑張り屋な君が、ゆっくりとでも一生懸命に伝えようとするから。
俺は考えなしに喋っちゃう方だからかな。
余計に、こんな瞬間が好きなんだ。たぶん、それも君だからなんだけど。


「桜、見てて…初めて会った時の事、思い出してたの」


向こうの角を曲がって歩いたその先で、立ち止まっている背中を見付けた。
困っているのかな。でも恐がられるかな。
そう思いながら、声を掛けて。
返ってきたのは、お礼と共に眩しい貴方の笑顔。


『ありがとー』


あの笑顔が、貴方の言葉が何時も私に力をくれた。
同じ時間に、同じ場所で。
二人とも同じ事を思い出していたんだ、と思うと少し恥ずかしくなったけど。
貴方が笑ってくれたから、私も気持ちのままに微笑んだ。



はいと手を差し出すと、君は首を傾げる。
本当にまだ慣れないんだな、こういうの。
念願叶って君と付き合い出して、それなりに経つんだけど。
伸ばした手で、そのまま君の手を取って繋ぐ。


「このまま行こ」
「え、あ…このまま?///」
「そ」


理解した君は人目を気にしたのか、辺りを見回す。
気にしなくても良いと思うんだけどなー。
まあ、そういうとこも可愛いんだけど。
それに少し早いから、人通りそんなに無いし。
ま、居ても離すつもりは無いんだけど。
行こうと手を握り締めると、頬を染めながら君は頷いた。


(あ、またおんなじ色)


まるで小さな幸せをかみしめるような、そんな顔も好きなんだ。
りんごのように真っ赤に染まる君の顔も、勿論好きだけどな。


君と居れば、この桜の花びらのように小さな幸せが舞い降りてくる。
桜の季節は今だけだけど、俺の中には何時だってあの光景があるのだから。


ほんのりと染まるその色は、舞い散る花弁と同じ色。


あの日とおんなじ、俺の記憶そのままに。


――桜色の、俺の大切な女の子。





「桜色」と言うお題から思い付きまして、その勢いのままに書いたら送る寸前になって「そんなに甘くないんじゃ…?」と我に返りました(でも投稿した)。
だって、甘くしたら爽子真っ赤になっちゃうよ…!桜色じゃなくなっちゃうよ…!
う~ん…また何か思い付けばリベンジする…かもかも?

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From:まー

ふんわりした雰囲気がスキです^^

きゃーv From:時風 砂輝(管理人)

ふんわりしてますか。そんなスキと言って頂けて、嬉しいです…!
今はまだ互いに真っ赤になってる二人ですけど、早く手繋ぎながら登下校すれば良いと思いますv
コメントありがとうございました!


紡がれる名前


テーマ : 二次創作小説 ジャンル: アニメ・コミック


今更ながらではありますが、やっとバレンタイン話です。
バレンタイン企画サイトKTV様に投稿させて頂きました。
本当に今更でごめんなさい…!風邪を引いてしまったとは言え、本当にやっとです。せめて、今月内に書けて良かったと思おう。ずっと書きたかったんですけど、なかなか進まなくて…。これでやっとすっきりしました☆




紡がれる名前


「か、風早くん…!チョコレート、受け取って下さい…!」


真っ赤になった顔で、必死に渡した。
受け取ってくれた彼の笑顔を見て、やっと吐いた息と共に緊張が解れた。


「開けて良い?」
「う、うん。勿論」


この数日、ずっと緊張してた。
去年渡せなかった分も「今年こそは」と、はりきって。
どんなチョコが良いだろうとか、ラッピングはどうしようとか。
今年のバレンタインは日曜日で学校では渡せないけど、どうしても当日に渡したくて。思い切って誘ったら、彼は快くOKしてくれたけど。
それでもやっぱり、ぎりぎりまで悩んで。
風早くんはとても優しいから、どんな物でも笑って受け取ってくれるだろうけど。
どうしても、喜んで欲しくて。


(喜んで、くれたかな…)


彼の反応を見ようと、顔を上げる。
すると、ラッピングが取れたまま風早くんはじっとチョコを見ていた。
もしかして、失敗してしまったの…?
あ、でも何だか風早くんの顔が赤いような…?


「?風早くん…?」
「あ、えっと…」


どうしたんだろうと首を傾げながら、彼の手にあるチョコを見る。
ええと、普通に固めたチョコとトリュフが入ってる、筈…。


「え…?!」


肝心のチョコを見て、私まで固まってしまった。
チョコレートに、書いた文字。


『しょうたくんへ』


に、なっていた。
一度は落ち着いた筈の頭が、瞬時に混乱する。


「あ、あれ…?!」


おかしい。確かに練習用に、と二つ同じように作ったけれど。
私、ちゃんと『かぜはやくんへ』って書いた方を持って…。
あ!ラッピングの練習の時に同じように包んだから、その時間違えて…?


「ち、違…!やだ、私間違って…?こ、これは練習用に…っ」


何時も「風早くん」と呼んでいるけれど、そう呼んでみたい気持ちも確かに合って。
ただこれは練習用だしと、ちょっとしたその場の思い付きでこう書いたものなのに。


「ご、ごめんさい…!私今すぐ家に帰って取り替えて…!」
「え、やだ」


慌てて彼の手にあるチョコを取ろうしたら、ダメとその手を上げられてしまった。
伸ばした手は、そのまま空を掴んで彷徨う。


「ええ!でも、これは練習用で…!」
「練習用には、こう書いてくれたんだ?」
「あ…う…」


恥ずかしい…。本当に、私下心で一杯なんだ。
去年はそれで渡せなかったと言うのに、去年よりそれはずっと強く。


「一度貰ったんだから、これはもう俺の!」
「で、でも…」


不意に、彼は空を彷徨っていた私の手を取って自分の方へと引き寄せた。
そして、もう片方の手に持ったままのチョコを私の方へと見せる。


「風早く…」
「ねえ、呼んでよ?」
「え…」


呼ぶって何を、と首を傾げる私に彼は微笑んで続ける。
悪戯を思い付いた、子供のような顔で。


「チョコに書いてくれたのと、同じように呼んで?」
「?!///」
「だめ…?」


瞬間、真っ赤になった私に追い討ちを掛けるように彼はじっと私を見る。
そ、そんな風に見られたらとても嫌なんて言えないんですけど…!
少しだけ、迷って。
やがて観念したように、でも視線だけは下げて(これくらいは許して欲しい)。
そっと、愛おしいその名を紡ぐ。


「…しょ、しょう、た、くん…」
「うん、ありがとう……爽子」


よくできました、と言わんばかりに彼は私をぎゅっと抱き締めた。
そして、優しく紡がれた私の名前。


(『爽子』…)


彼から、自分のこの名を聞くのは何度目だろうか。
多くはないけれど、でもその度に自分の名がとても大切な愛しいものだと知った。
そんな風に、貴方が呼んでくれるから。
ああ、それなら。
私が貴方の名を呼べば、同じように感じてくれるのだろうか。
伝わる、だろうか。
貴方の名前が、私にとってどんなに大切で愛しいか。


「翔太、くん…」


少しだけ顔を上げて、さっきりも少しは途切れずに言えたその名を彼が聞いた時。
とびきり嬉しそうな顔と、優しい口付けが私に降って来た。





もう一個のチョコも、ちゃっかり風早は自分の物にしたそうです。
なんたって「ひとりじめ」ですからv

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わああああ From:ぴろろん

素敵ー!きゃあきゃあ。

こういう「しょうたくん」呼びを考える砂輝さま凄い!

ところで。リンクさせていただいてもいいですか?って私チャットの時に申し上げましたでしょうか?

申し上げた気になってリンクさせていただいたのですが、どうもモヤモヤしてまして・・・・・もし、勝手にリンクさせていただいた形になってましたらごめんなさい。

Re: タイトルなし From:時風 砂輝(管理人)

>まー様 (反転です)
コメントありがとうございます!かわいいですか?風早と爽子はピュアカップルですからね。私も大好きです。後書きでも想像して頂けましたか。きゅーんとなされたその想像を是非伺ってみたいですv

きゃああああ From:時風 砂輝(管理人)

>ぴろろん様
きゃー素敵なんてそんな…勿体ない…!
そ、そうですか…?「しょうたくん」は、是非呼ばせたい私ですv
「爽子」も呼ばせたいんですけどね。普段は、照れてなかなか言えなさそう。ヘタレだし(^^;)。本誌で呼んでくれる日を心待ちにしながら、妄想を掻き立てます(笑)。

リンクは、言われた気がしていたのですが…?あら?
いえ、大丈夫ですよ。寧ろ嬉しかったので!(爽子風に)私もリンクさせて頂きましたし。リンクもコメントもありがとうございました!(^^)


何気ない日々


テーマ : 二次創作小説 ジャンル: アニメ・コミック


本誌流れで(学園祭後、六月)、風早の誕生日について。
一年は仕方無いとしても、まさか二年までスルーされるとは…∑( ̄△ ̄;)
いや、それどころじゃなかったのは分かりますが。
そうはいかない乙女ゴコロ。

と言うか、出来ればバレンタイン前にUPしておきたかったものが今頃です。
どんだけ負け犬なんだ、私…!




何気ない日々



「風早くんの誕生日って、先月だったの…?」
「うん、そうだよ」
「………」


放課後の帰り道。
クラスで今日誕生日の奴が居たなあと、そんな話になって。
俺は先月だったな、と言ったら黒沼が急に黙ってしまった。


「…黒沼?」
「ご、ごめんなさい…!」
「え、なんで?」


足まで止めてしまった彼女に、振り向いて声を掛けたら何故か謝られてしまった。もしや何かしてしまっただろうか、と不安になる。


「私、クリスマスもバレンタインも何も出来なかったのに…誕生日まで…」


そう言いながら、今にも泣き出しそうになってる。
ああ、なんだ。そんな事、良いのに。


「黒沼」


そう呼んで、軽く抱き締めた。
慰めるように、ぽんぽんと軽く肩を叩く。


「そんな事無いよ。クリスマスだってプレゼント貰ったし」
「だって、あれは…ちゃんとしたプレゼントじゃなかったもの…。本当は風早くんの為に作ったものを、あげたかったのに」


小さな声でそんな可愛い事を言われたら、もう本当にそれだけで充分なのにと思う。…バレンタインに何も貰えなかったのは、さすがにショックだったけど。
それに黒沼の誕生日は俺も大晦日当日に知って、あげたのはおみくじの大吉。
あれこそ、もっと早く知ってたらと後悔してる。


「なのに…私…誕生日まで…」
「――ねえ、黒沼。本当に良いんだよ。それに一番欲しかったものは、やっと貰えたんだから」


え、と黒沼が顔を上げる。
不思議そうに、目をパチパチとさせて。


(私、何かあげたかな…)


(貰ってるよ、君からたくさん…君からじゃなければ知らなかった事)


「黒沼、俺の事すき?」


え、と君の顔が真っ赤になる。
慌てる君を見ながら、あの時も同じ事を聞いたなと思う。
花壇のところで、自棄のように気持ちを告げて。
泣きながら頷く君を、同じ想いだとは思えなくてただ傷付けた。
でも、今は違う。
時間が掛かっても良いから、君の言葉を待つ。
顔が見えるくらいの距離のまま、抱き締める腕に力を込めて。


「す…すきです…!」


うんと肩を引き寄せると、さっきよりも身体が近付く。
嬉しそうに、耳の傍で囁く声が爽子には熱い。


「ずっと、黒沼の気持ちが欲しかったんだよ」


抱き締めて、感じるものさえ熱くて堪らない。
鼓動さえ聞こえそうなその距離で、この気持ちがもっと届けば良いのに。


「で、でも…やっぱり…何かあげたかったの」
「じゃあ…貰って良い?」
「え、何を…」


ふわり、優しい熱が額に触れた。
そこにキスをされたのだと気付いたのは、風早が離れてからだった。


「え…ええ?!///」
「これでいーや!」


少し赤くなった頬と、大好きな彼の満面の笑顔。
――そんなの、ずるい。
私の方が、嬉しい気持ちを貰って。
そうじゃなくて、私があげたいの。


「か、風早くん…!」


少し離れた彼を追って、服を掴む。
そのまま背伸びをして、彼の頬に顔を近付けた。
そっと、頬に触れる熱。


「??!!」


「…こっこれで、良いですか…?」


思い切って行動した後になって、恥ずかしくて俯いてしまう。
だけど、嬉しかったから。
風早くんにも、喜んで欲しいから。
そっと見上げると、そこにはさっき以上に嬉しそうな風早くんの笑顔があった。
何時も安心出来て、大好きなその笑顔に爽子も微笑み返した。



「あ、もう一つ」
「え…」
「来年のバレンタインは、絶対貰うから!」
「ハ…ハイ。頑張ります…」


その前のクリスマスも、と続けると楽しみしてると彼はまた笑う。
まだこれから本格的な夏が来る前なのに、こんな先の事を約束したのははじめてだ。今日も、また風早くんからはじめてを貰った。


――宝物が、また増えた。


そんな何気ない、けれど大切な日々。





帰り道で何やってるんですかね、この二人v
あとこの日、風早は自転車では無いようですね。
爽子と並んで歩きたいんですよ。なので、早起き出来た時は歩きです。
だって、いちゃつくには自転車邪魔なんです(マテ)。手も繋げないじゃないかー!

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あの子の噂


テーマ : 二次創作小説 ジャンル: アニメ・コミック


本誌の流れで、なんと幼馴染の詩乃ちゃん(アニメより)視点です。
学園祭後、噂が飛び向かう中で。
後半は、おまけ的な風早視点。




あの子の噂



「貞子ー!久し振り!」
「あ…詩乃ちゃん、久し振り…」


久し振りに幼なじみの姿を見つけて、詩乃は声を掛けた。
以前も見掛ける度に声を掛けてはいたけれど、彼女に友達が出来てからはそういう事も無かったので随分と久し振りだ。
同じ学校&学年だと言うのに、クラスがここまで離れると本当に会わないものだ。
そんな中でも、ある意味目立つ彼女達の噂は聞こえて来るのだけど…。
気になっていたので、聞いていいかなと思いながらも詩乃は尋ねた。


「ね、ね。噂聞いたんだけど…学園祭の時の告白って本当?」


最早学年どころか、学校中の噂だろう。
何せ、全校生徒が集まっている場での公開告白。
しかも当の二人は、全く正反対の噂の持ち主。
爽やかな王子様と、暗くて霊感があるとされている貞子。
その二人が付き合うなんて、まるで想像も付かないと言うのが一般的。
詩乃には、実際の貞子がホラーとは関係の無い事だけは知っているけれど…。
考えた事がなかっただけに、詩乃にも判断が付かないので思い切って尋ねてみたのだ。途端、貞子はぼんっと音が聞こえてきそうなくらいに真っ赤になった。


(うわ、この子こんな顔するんだ…)


寧ろ、その反応にびっくりした。
小学校の時から同じ学校だった私だって、そんなの知らなかったよ。


「あ、あの……う、うん」


赤くなりながらも頷く貞子は、まさに恋する乙女だ。
そっか、本当なんだ。噂の王子様が、貞子をね~。
あの時この花壇で二人が話すのを見た時は、そんな事思いもしなかった。


誤解解けて良かったね。クラスで友達出来ると良いね。
あの時は、ただそれだけの気持ちで。
そっかあ、彼氏出来たんだ。
まさか貞子に先を越されるなんて、ね。


「あれ、黒沼…?」
「え…か、風早くん…!」


そんな話をしていたら、丁度そこにもう一人の噂の本人が!
…そういえば、あの時もこんな感じだったなあ。


「花壇の水やり?」
「う、うん。もう終わるので…」


あ、なんか私邪魔っぽい?
って言うか、寧ろ目に入ってなくない…?
これが、これまた噂のストロベリータイム…?


「分かった、俺ももう終わるから。じゃー後で」
「――うん」


ふわり、と貞子の柔らかな笑顔にまた驚いた。
うわ、本当にびっくり。
怖い印象を与える笑みでは無く、こんな普通の笑顔。
貞子から、こんな笑顔を引き出せたのは彼なんだろうな。
良いな、そういうの。羨ましい。


「ふふふ~何、一緒に帰るんだ?」


彼が行くのを見送っていた貞子が、はたと気が付いたように私を見る。
あ、やっぱそういう反応なんだ?


「良かったね」
「…うん、ありがとう…」


あ!また笑った。
さっきの彼氏に向けられたものとは、少し違うけれど。
でも、貞子にこんな笑顔向けられたの初めてだ。
そういえば、貞子が笑うと福が来るとか言う噂もあったっけ。
最初聞いた時は、不思議に思ったものだけど。
ああ、なんか分かる気がするな。
なんだか、私にも良い事がありそうな気がする!


「私も、彼氏欲しいなあ…」


別れた後、何とはなしにポツリと呟いて、そして頑張ろうと思った。
貞子だって、頑張ったんだよね。私だってやるぞー!!







「そういえば、さ」
「え…?」
「さっき、花壇で一緒に居たの誰?」


帰り道、自転車を押しながら歩いていた風早はふと爽子に尋ねた。
またピンに用事を押し付けられて廊下を歩いていた際、何時ものように彼女は花壇に居たけれど一人ではなかった。
仲の良い矢野や吉田でも、クラスの誰でも無い。自分の知らない子と。
…少し、気になってしまったのは仕方が無い。


「あ…詩乃ちゃんの事?小、中学校と同じだった子なの」
「そうなんだ…」


知らない子と話してるのかな、とは思ったけど。彼女を見付けてつい話し掛けてしまったが、会話の邪魔をしてしまっただろうか。


「ふふ…」


不意に黒沼が笑ったので、首を傾げる。
また何か考えてるのかな。笑ってるから、楽しそうな事かな。


「――黒沼?」
「…あ、ごめんなさい。ちょっと思い出してしまって…」
「え、何を?」
「あの…花壇で初めて風早くんと話した時も、詩乃ちゃんと話してる時だったなって」
「え…ああ、あの時話してた子?」


そういえば、あの時も知らない子と話してるなって思ったんだ。
クラスの誰とも話してるのを見た事が無かったから、珍しいなと思って。
そうしたら、俺の話をしてるのが聞こえて…。


「爽やかから出来てますって感じだったっけ?」


うんと少し恥ずかしそうに頷く黒沼に、思わずははと笑う。
俺が花壇に行った時にはもうその子は居なくて、一度も話してないから顔も全然覚えてなかったけど。


「じゃあ…その子のお陰なのかな。あの時黒沼と話せたのは」


あの頃は話したくても、なかなか上手くいかなくて。
挨拶をしても答えてくれないと思ってたから、嫌われてるのかと思ったりして。
けれど、あの時思いがけず話が出来た。
そして、もっと君の事が知りたいとそう思ったんだ。


「感謝しなきゃな」


頷いて笑う君が俺の隣に居るなんて、あの時は思いもしなかったけど。
きっと、もう俺の恋は始まっていたんだよな。


帰ろうかと言えば、君はハイと笑う。
君の隣はずっと望んでいた距離だけど、今はくすぐったい。
早く慣れたいような、このままで良いような。


今はまだ、そんな二人の距離。





風早の回想シーン、まったく詩乃ちゃんの顔を覚えて無いところに笑った。
うん、分かってるよ。一言も話してないし、仕方ないよね。爽子しか目に入ってなかったんだよねvずっと話したかった子とやっと話せたんだもんねv

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はじまりの気持ち


テーマ : 二次創作小説 ジャンル: アニメ・コミック


別マ三月(最新)号で、思いがけず風早視点で高1春のお話が読めた訳です。
じゃあもうこの辺りの花壇とかの話は書かなくても良いかな~と思ってた訳ですが。名前…!名前のところが全然無かった…!!なら、やっぱり書いてしまえとv

しかし、風早フィルターの爽子可愛いですよね(爽)。
風早には、最初から爽子は可愛く映ってたんですね。
と言うか、自覚してないだけで恋始まってますよ、この似た者同士めv
そんな二人が大好きですw




はじまりの気持ち



「…あのー…北幌高校だとしたら、こっちです」


桜の花びらが舞う中で、初めて出会った時に見た君の笑顔。

その笑顔を見た時に感じた小さな想いのはじまりを、俺はまだ知らない…―。



入学したばかりの高校の新しいクラスの中で。君にもう一度会えた時、俺は思わず声を掛けたけれど君は表情を変えただけだった。
(後から思えばちゃんと答えてくれたんだろうけど、この時は気が付かなかった)
慣れ慣れしすぎたかな…。つい何時ものように気軽に声を掛けたけれど、あの子には道を教えて貰っただけでちゃんと話した訳じゃなかったしな。
―次は気を付けよう。

そうこうしている内に入学式は終わり、初めてのクラスのHRで自己紹介が行われていた。出席番号順に男子から、時々笑いや横やりが合って一年間楽しく過ごせそうだなとそんな期待が膨らむ中。
不意に髪の長い女の子が席を立った。


(あ、あの子の番なんだ。名前、何て言うのかな)


クラスの仲間に聞いても、「貞子」としか言わなくて…。
名前くらい、あの時に聞いておけば良かったかなー。時間合ったんだし。


「黒沼爽子です…羽北中学校から来ました…」


(黒沼……さわ、こ…かな?)


それはとても小さな声で、自己紹介中で静かとは言えクラス全員に聞こえただろうかと言うような声で。周りの小声からすると、やっぱりよく聞こえてなかったみたいだ。きっと似てるから、間違われただけなんだろうな。


(やっぱ貞子、じゃないんだよな。『さわこ』ってどんな字かな…?)


そんな小さな好奇心は、後に配られたクラス名簿を見て満たされた。
出席番号順の名簿なら、彼女の名は上の方ですぐ見付かる。


(黒沼は……あ、あった。へえ。『爽子』って書くんだ)


爽やかな、子。
思い出す桜の下での笑顔には、ぴったり合うような気がした。
軽く指でその字を綴りながら、そんな事を考えて。


(もう一度、見たいな…)


満たされた筈の好奇心は、また別の気持ちへと形が変わる。
今はまだ、それを不思議に思う事もなく。


(明日は普通に挨拶しよう。笑って答えてくれるかなー)


そんな風に生まれた、最初の気持ち。






挨拶出来るようになるまで、三ヶ月掛かりましたね(^^;)。
一年前の風早は、幼い感じがして可愛いですね。そして読み切り時には短かった髪が長い!(そこ?)

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プロフィール

時風 砂輝

Author:時風 砂輝
別冊マーガレットにて連載中「君に/届/け」の二次創作ブログ。
当然ながら、非公認のファンサイト。
二次小説等が受け入れられない方は、どうぞブラウザを閉じてください。

風早×爽子の小説ばかり増えると思われます。

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